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【告白】
「好きです!
よかったら僕と付き合って下さい!
お願いします。」
移動教室の帰り道、渡り廊下から告白中であろう必死な声が聞こえ、俺と斎、智也の三人は顔を見合わせた。
斎が日直で、使った道具の片付けを俺と智也で手伝っていたが、三人でやってもかなりの時間がかかってしまい、大急ぎで次の授業に間に合うように戻る途中の出来事
「どうする…………?」
扉の陰から、そっと渡り廊下を覗き込み言う斎に
「どうするったって、此処通らないと次の授業に間に合わねぇし…………。」
斎の後ろから、ちょっと楽しそうに渡り廊下を覗き込む智也
この渡り廊下を通らなくても、教室に行く道はあるのだが、無駄に広いこの学園では回り道をしていたら次の授業に遅れてしまう。
「速足で見なかったふりして、通り抜けるか?」
俺が二人に話しかけると
「そうだね。」
「だな。」
こっくりと頷く二人に
「じゃあ行くか。」
俺も一つ頷き、渡り廊下に足を踏み出した。
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