奥多摩山中

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数時間後。 二人は何か大きな塊を引きずってきた。 「ふぅ‥ふぅ……重いっ。」 「あ・と・すこ・しっ!ハァハァ‥。」 ズル・・ズルズル・・・ ドサッ 息を切らせながら茫然と穴の傍に立ち尽くしている二人だったが、片方がその沈黙を破る。 「ゆっくりしてるヒマなさそうだ。急ごう。」 再びシャベルを手に持ち、今度は穴を塞ぎにかかった。 ──もうすぐ夜が明ける。
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