8/14
前へ
/27ページ
次へ
「…誰?あんた」 中から出てきたのは、寝癖のついた男前だった。 少なくとも僕よりは身長がありそうだ。 「あっ…あの富士見総合病院で看護士をしてる三崎啓一郎と申します」 「そう…で、その看護士さんが何のよう?」 整った顔に迷惑そうな表情を浮かべられた。 歳は僕と同じくらいか? 「お休み中にすみません、お時間はありますか?」 「いや…まぁあるけど、」 「清水孝雄さんをご存知でしょうか?」 一瞬、彼の表情が曇ったがすぐに元に戻った。 「あぁまぁ…」 曖昧な返事をされた。 続けて話そうとすると遮られた。 「ちょっと待って、こんな所じゃ…向かいの茶店で待ってて、俺もすぐ行くから」 そう言って彼は扉を閉めた。 僕は言われた通り喫茶店に向かった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加