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「…誰?あんた」
中から出てきたのは、寝癖のついた男前だった。
少なくとも僕よりは身長がありそうだ。
「あっ…あの富士見総合病院で看護士をしてる三崎啓一郎と申します」
「そう…で、その看護士さんが何のよう?」
整った顔に迷惑そうな表情を浮かべられた。
歳は僕と同じくらいか?
「お休み中にすみません、お時間はありますか?」
「いや…まぁあるけど、」
「清水孝雄さんをご存知でしょうか?」
一瞬、彼の表情が曇ったがすぐに元に戻った。
「あぁまぁ…」
曖昧な返事をされた。
続けて話そうとすると遮られた。
「ちょっと待って、こんな所じゃ…向かいの茶店で待ってて、俺もすぐ行くから」
そう言って彼は扉を閉めた。
僕は言われた通り喫茶店に向かった。
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