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しばらくの間、僕は彼の姿に見入ってしまった。
僕とは対照的な容姿の彼に軽く嫉妬する。
彼の長い指がパタンと日記帳を閉じた。
僕は彼から視線を外す。
「あっあの…」
声が裏返った。
日記帳に向けていた視線を僕へ寄越した。
「………なに?」
「いぇ、やっぱりソレいらないですか?」
おずおずと聞いてみた。
だけど、真っ直ぐに彼を見据えた。
「………いや、貰っていくよ」
「本当ですか!?……良かった」
僕は目を見開いた。
彼は不思議そうな顔をして僕を見た。
「君が何でそんなに喜ぶんだ?」
「えっ!?あの…ダメですか?」
僕は思ってもみなかった事を言われて驚いた。
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