おかしな奴

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ツンツン… 背中突っつくのはいったい誰? …て、コイツに決まってるよね。 高校2年のクラス替えで同じクラスになった男の子で、あたしの後ろの席に座っている奴だ。 最初に声をかけてきたのは君だったね… 「名前なんていうの?」 「かなみだよ」 かなり素っ気なく答えた 「俺、一希だから」 あたしを真似たのか、やはり同じように素っ気なく返された… 「よろしく」 「おう」 あ、いい忘れてた… 「痛いからシャーペンで突っつかないでよ」 多分、ムスッとした顔だったに違いない。 「わりぃ」 …笑ってるよ、コイツは。 君との初めての会話は、確かこんな感じだった… 友達とワイワイ騒いでいる君とはうって変わって、あたしはいつも自分の机でボーッとしていた。 君の名前は知っていたよ… 一年生の時は違うクラスだったけど、ケンカして停学になったりしていたから、みんなコイツの名前は知っていた。 あたしは暴力はキライ 暴力怖い… 正反対の性格みたいだし、相性悪そう… 何であたしになんか話しかけるんだろう? おかしな奴だな… 初めはね、そんな風に思っていたんだよ…
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