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その時だ。外の方が騒がくなり、二年の後輩が部室に入ってきた。
「失礼しますっ」
ちゃんと礼をするのも忘れない。
「先輩っ、なんか、新しい監督がっ…!」
「はっ?」
相川は慌てて外に出ていく。
「相川の奴~まだ下が制服だった~!」
笠井がまだ戻ってこない。その後ろ頭を速水が叩いた。
「いてっ」
「とりあえず、俺達もいくぞ」
「やめーっ!…お疲れ様です!」
相川の声かけでみんな作業を止めて挨拶に入った。
自称新しい監督は…なんと俺達とたいして歳が変わらないような若い男だった。
髪は染める事もなく、健康的な肌をして、目は輝き…まさに「球児してました!」なタイプ。でも小さい。身長163の俺だって比較的ちびっこだけどこの人、俺より、いや、同じくらいだろうか。
とにかく自称監督は俺達全員をぐるりと見わたすとにんまり笑った。
「野球、好きか?」
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