コンプレックス1『チビ』

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「うわっ!!こいつちっちゃ!!毛も生えてないじゃん(笑)」   恥ずかしかったな。 教室にはまだ女子も居たのに…。 それでね、何も言わなかった罰みたいな事で、ズボンとパンツを屋上まで持って行かれちゃったの。 どうする事も出来ないじゃん。 俺は貰ったばかりのパリパリのジャージに足を通して、歩いて屋上まで取りに行ったら、もう誰も居なくて、ズボンとパンツだけが落ちてたの。 その日、家に帰って初めて泣いたな…。 初めてって言うのは、この『遊び』が始まって初めてって事ね(笑)   俺はね、布団の中で色々考えたよ。 何で俺だけ… 何でチビなの…? チビはいけない事なの…? 俺が何かした…? いつまで続くの…? もう学校行きたくない… 死にたい……   気付いたら朝になってた。 何も知らないお母さんが起こしにきたの。 その時、初めてお母さんを憎んだよ。 何で起こすの? もう学校行きたくないんだよ? どうして気付いてくれないの?   でも、理想と現実はそんなに甘くない。 気付くはずないじゃん。 何も言ってないもん。 何も言えないもん。 言えるわけないじゃん。
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