コンプレックス1『チビ』

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その日は、たぶん3学期の始業式だったと思う。 学校行ってないから良く分からないけど。   夕方くらいに家のチャイムが鳴ったの。 お母さんが玄関に行き、何か話してたけど、いきなり騒がしくなって、お母さんの「困ります」って声が聞こえた瞬間、俺の部屋のドアが開いて、ドアの前に背が高くて肩幅が広い男が立ってたんだ。 俺は怖いとか思う前に唖然としたよ。 口を開けて、何も言わない俺を見て、その人はこう言ったの。   「こんにちは。君かい?真幸君ってのは。いや~校長がうるさくてね(笑)ちょっと座るよ。」   そう言って、俺のベッドをギシギシ言わせて座ったの。 でも、怖いという印象は無かったな。低くて安心感を与える声と、真っ白な歯が輝いていたから?(笑) それで続けてこう言ったの。   「真幸君。君が学校に来ない理由は大体知っているよ。イジメだろ?学校側は隠しているけど、登校拒否する子は大体イジメが原因だからね。それでね、先生は学校に来いとは言わないから、先生に毎日夕方の1時間くらい時間を頂戴。一緒に遊ぼう。」   最初は意味が分からなかった。 遊ぶ? 俺と? 先生が?
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