コンプレックス1『チビ』

22/27
前へ
/68ページ
次へ
俺はあの人の事を正樹先生って呼ぶ事にしたの。 何か同じ名前で親近感沸くし(笑)でも本当の理由は、正樹先生みたいになりたいって願掛け。 背が高くて、肩幅が広くて、何より人間の優しさに溢れた人になりたかったの。 また明日も会えるんだって思ったら毎日が楽しくなってきたんだ(笑) 俺…正樹先生に恋しちゃったのかな?でもゲイじゃないよ!!なんていうの?憧れ?(笑) それで、正樹先生と遊ぶようになって2週間がたった時に、正樹先生がボールを持ってきたの。もちろんバスケットボール。 俺はあんまり乗り気じゃなかったけど、半ば強引にバスケをやるはめになったのね。 でも、正樹先生なら大丈夫って思えたんだ。何でだろ?正樹先生なら俺の悪口言わないって思えたんだ。 それで正樹先生と俺とで1on1を始めたの。 こっぴどくやられたね。 ボールを触ったのは、ゲームを始める時だけ。 でもね、終わった後にドリブルの仕方とかシュートの仕方を習ったの。 その時始めてバスケが楽しく思えたんだ(笑) 冬の夜に汗だくの男2人。 ノッポとチビ。 はたから見ると不思議な感じだろうけど、この時は何とも無かったの。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

135人が本棚に入れています
本棚に追加