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俺は息を飲んで覗いてた。
部活…バスケ部…俺もバスケやりたいって思ってたんだ。
いつもは、正樹先生と1on1しかやらないけど、部活は、みんなでパスを出しあったり並んで順番にシュートしたり。
めちゃくちゃ楽しそうだった。
そしたらね、正樹先生が俺に気付いて駆け寄ってきたんだ。
「真幸君!何してるんだ?」
俺は恥ずかしそうにごもごもしながら、俺もバスケやりたいって伝えた。
そしたら正樹先生が皆を集めて、こう言ったの。
「今日からバスケ部の新入部員だ。仲良くするように。真幸君は背は低いけどすごいんだぞ!皆も追いつかれないように頑張れよ」
って。
俺は部活に入りたいなんて言ってないのに…。
無理矢理入部させられた俺は、その日は見学だったけど、次の日から毎日部活に足を運んだんだ。
毎日が楽しかった。
だんだん友達も出来て、部室でも、「小さいのにすごいなぁ」って誉められてた。
俺は生まれかわったんだって思えたんだ。
正樹先生との夕方のバスケの時間は無くなっちゃったけど、大切なものを手に入れた。
『友達』
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