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「…第1回選択希望選手。大阪ホルスタインズ。杉影佑樹。18歳、投手。河田実業高校。」
「早速ビッグ5の一角が来たか。あのスラはエグいからなぁ。」
テレビのドラフト中継をワンセグ携帯で見ているこの男は島村卓也(シマムラ タクヤ)。この物語において、主人公となる男である。
「どんどんビッグ5の入団先が決まり、遂にビッグ5の中の大物の杉影くんの入団先も決まりました。」
興奮した面持ちでアナウンサーも伝えていた。ちなみにビッグ5と呼ばれている選手たちの入団先は以下のようになった。
沢田毅(外野手)→東京ビッグバンズ
唐沢亨(捕手)→北海道スノーマンズ
杉影佑樹(投手)→福岡ハードバンク
藤村俊哉(内野手)→徳島ブラックウルブズ
高山大地(投手)→沖縄ブルーオーシャンズ
「タク~決まったかぁ?」
「あぁ…。この通りだ。」
「何だよホルスタインズは外れかよ。」
卓也に話しかけてきたのは田中浩樹(タナカ コウキ)。クラスメイトの1人で、友だちと呼べるくらい仲が良いわけでは無いが、卓也がドラフトを見ているのを知っていたので、聞いてきたのだろう。
その後は外れ指名や2位、3位指名と続いていく。そして遂に5位指名。普通そこまではテレビ放送をしないのだが、今回はビッグ5の指名ということで、放送枠が大きくなっていたのだろう。
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