第四章

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昨日の部活で、私は1つ紺野を発見したの。なぜか武道館にバレーボールがあったんだけど、紺野、私より年下のくせに、ボールを片手でつかんだのよ!なんか悔しくて密かに練習したけど、私にはムリだった。   今日は、ねぇ。部活がなかったの。だから久しぶりに1人で下校したってわけ。たまには1人でこうやって帰るのもいいよね。見慣れた景色の中に、見落としてきた風景を発見することができるから。 と、その時。目の前を一台のチャリが通ってった。 と、思ったら、そのチャリ、またこっちに向かってきたの。私ムシしたのね。そしたら今度は 『ばぁ――~か』 ですって!やっぱり紺野だったか。ふっ…何とでも言いなさいよっ。あんたに言われたぐらいで傷つくような… 『でぶっ!ぶすっ!ばかっ!あほっ!のろまっ!タコッ!それはお前~~!!』   あっ…超傷ついた……。 『ずぅ――んどぉ――う』 なっ…なにぃっ! 『あ、ブタが二本立ちしてる!』 こっ…紺野ぉっっっ!!!ゆっ…許さないっっ!! 『さっきから黙って聞いてれば、いい気になって――っ!!あんた…ねぇ』 しかし、気付いた時には、もうアイツはいなかったの。逃げ足の速いやつ…。 人の事さんざん言っておきながら逃げるとは…さすが強敵。油断できないわ! 今度会ったら3倍返ししてやるっっ。   夕日で赤く染まった空を見上げた。一年前の私の恋心を思い出す…。 ━━洋二…先輩…。━━ 会いたい!会いたい!会いたいよぉ――~っ!!こんな時むしょうに会いたいっ! …あ、そういえば先輩、何部に入ったんだろう。剣道…ううん、きっともう違うわ。サッカー?ギター?いいえっ、意外とダンス部かも知れないわっ。男子校だからって女装したりして楽しんでるんだわっ。先輩ならけっこう似合いそうだし… はっ!…私って一体っっ!! 『あ゙―――っっ。洋二先輩っごめんなさいっっ』 『なにが?(笑)』 え゙…?私はとっさに振り返った。この声はぁっ!!
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