命の温度

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BEATLESのコレクション集を大音量で聞きながら、最近買ったソファにもなるセミダブルのベッドにもたれて、どうやって死のうかしら。って、手首に不細工な刺青を刻みながら悩むあたし。 そこから滲み出る液体をじっと見つめた。 8万円もしたセミダブルベッドをソファの形にする事は、結局一度もなかった。 真夏の38℃の日に、あたしは負けない様エアコンの暖房を付けたのだけれど、28℃までしか上がらなくて。 あたしは舌打ちをして、リモコンを勢い良く投げた。が、電池が弾け飛んだだけで大したダメージはない様。 ストーブからも28℃の炎をチリチリと放たせて、此所があたしが頭の中で描く地獄になる様神様に祈った。 少しばかりの時間が経ってストーブの辺りを見ると、空気が歪んで見えた気がした。 もしかして今って、外よりも暑いんじゃねぇの? あたしは何故か勝ち誇った気分になった。 あー 暑い。 体中から溢れる汗。 舐めてみたら海のそれだった。
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