無 色

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  スノ宅からの道すがら、セツは空を見上げた。 別れた時よりも雪の勢いは増し、塀や踏まれていない道の端にはうっすらと、白く色づいている。 セツは借りたマフラーを鼻まで巻き直し、息を吸った。 ふいに、スノの匂いがした。 ――ねぇ、セツくん。好意のない善意は存在すると思いますか? ――コウイのないゼンイってのがよくわかんないけど……。 ――つまりね。スノードロップは雪に色をあげることによって、もっと親密になりたかったんですよ。 雪に自分のことを知ってほしかったんじゃないですかね。 雪が降るたびにスノードロップを思い出すように。 ――きっとスノードロップは雪に恋をしてたんでしょうね。 ――ふぅん? 恋や想いなんてまだ子供のセツには、曖昧すぎてよくは理解なんてできなかった。 けれど――、  
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