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外に出ると灰色の空から、はらりと白い花が落ちてきた。
「あぁ、降ってきましたね」
「うん。でもこれくらいだったら濡れずに帰れる」
「車に気を付けて。宿題もちゃんとするんですよ」
母親に言われたらカチンとくるのに、スノの言葉は素直に受け入れられる。
「わかってるよ。マフラーありがとう。明日返すね」
また、明日も会える口実が出来た。
「いつでも構いませんよ」
「――ちゃんと返すから、じゃあね」
「はい、さようなら」
手を振るスノに別れを告げ、セツは門をくぐり抜けた。
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