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天地創造のおり、雪には色がありませんでした。
それを不平に思った雪は、同じく色を持たない風と共に、神様の元に向かいました。
けれど神様の元にはすでに色の素はありませんでした。
駄々をこねる雪に、様々な色を持つ花達に色を分けてもらったらどうかと提案しました。
さっそく雪は花達のもとに向かいました。
ふと気がつくと一緒にいた風の姿は消えていました。
もともと気まぐれで、誰にも縛られたくない風はただ雪に付き合っていただけだからです。
そして雪はせつせつと、花達に色を分けてもらえるように頼みました。
けれど花達は、自分の美しい色を、冬の寒厳を連れてくる雪を嫌い、誰も分けてあげようとはしませんでした。
雪はたった一つの自分の願い事さえ聞き入れてくれず、ひとり切なさに肩を落としました。
それと同時に、涙がはらりとこぼれ落ちました。
寒さを嫌う花達に余計に嫌われてしまうのに、ぽろぽろと一度こぼれた涙の粒はとめどなくやむことはありません。
その時、哀しみにくれる雪に声をかけた花がいました。
それは――、とろりとした純白色を纏った花でした。
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