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「ねぇ…井関君?」
小春の言葉を聞くと雪人は眉間に皺を寄せてぷいっと反対側に顔を逸らす。
……あれ?
そのまま何も気づかない小春に、彼は言った。
「名前…呼んでよ…。じゃなきゃもう小春とは口聞かない…」
その言葉とは裏腹に、小春から見える雪人の耳は真っ赤に染まっていた。
そして、子供の様に拗ねている彼が可愛いと思った。
「…雪人?」
それでもこっちを見ようとしない雪人。
だけど、どうしても今、伝えたい。
そして、あの笑顔で笑って欲しい。
だから、今度は私から送りたい。
素直になれる魔法の道具で。
このメールが届いたら。
そしたらきっと彼は笑ってくれるから。
【 大好き 】
ーーーーーー送信ーーーーーー
…ほらね。
end.
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