6, アンインストール(長)

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僕は両手で彼女の喉を締め付けながら、何度も何度も彼女の唇の感触を味わいました。      幸せです。         今日の彼女の唇の感触は今までで一番、リアルで、一番柔らかく、素直に僕を受け入れてくれました。     ついに彼女は、抵抗する力を失い。     どんどん唇が冷たくなっていきました。     「やっと、思い出してくれた?」     僕は抵抗しなくなった彼女を抱き起こし、ギュッと抱きしめました。   彼女は体の全てを僕の腕の中へ預けて目を閉じています。   そして、彼女を抱えあげ僕は彼女のマンションへ連れてかえりました。     彼女のカバンから鍵を取り出し、オートロックを解除し、エレベーターで部屋へ向かいます。     何度も通った部屋です。     彼女が何も言わなくても、僕は彼女の部屋がわかります。     ドアを開けて中へ入り、ベッドへ彼女を寝かせました。     服を一枚一枚優しく脱がせてあげました。     今、彼女が着けている下着も、僕が買ってあげたものです。     その下着も外して、僕も、脱ぎます。     「さぁ、目を開けていいよ」     僕は彼女に囁きました。     彼女は何も反応しません。    「そっか、いつものように、電気を消さないとね」     部屋の電気を消して、枕もとのスタンドの電気をつけました。     「これはつけてもいいよね?じゃないとキミの幸せそうな表情まで見えなくなるから」     彼女は返事をしません。     「どうしたの?」     僕は、全く動かない彼女を不思議に思いました。     「ねぇ、大丈夫?」     僕は彼女を揺すりました。    それでも全く反応がありません。     「ま、・・・まさか・・・しん・・で・る?」     僕は青白く冷たくなった彼女の頬に手を添えました。     そのとき僕は気付きました。     彼女の首に、赤紫色をした、指の跡がくっきりと浮かびあがっていました。     「・・・。僕が、やったんだ」     「まさか、死ぬなんて・・・うそだろ?」    
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