6, アンインストール(長)

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彼女が僕を知らないのは当たり前です。     なのに僕は、そんな彼女に逆上して・・・     遂には、この手で、絞め殺してしまったのです。     僕が、お金で買わずに得た彼女との唯一本物の想い出が・・・     まさか、こんなとんでもないものになるなんて。     もし、この想い出を売れば、いくらの値がつくのでしょうか。 時給900円を越えるでしょうか。     しかし、この想い出を売るわけにはいきません。     僕はこの唯一の想い出を胸に、僕はこれから、死にます。     僕の人生っていったいなんだったのでしょうか。     さようなら           上田 雅人     ~~~~~~~~~~~~~~         「警部、読まれましたか?」   若い方の男が、もう一人の歳上に見える男に話かけた。       「ああ、なんなんだ?これは。わけがわからんな」   警部と呼ばれた男は、『遺書』を読み終え、自分の頬から顎の辺りをさすりながら答えた。 軽く伸びかけの無精髭がこすれてジョリジョリと音をたてた。       「まったく、不思議な話です。」   と、若い方の男が険しい表情で首を傾げてみせる。      「ああ、最近の若者の想像力ってのはどうなってるんだ。記憶を売るだの、買うだの、完全に妄想だな。そして、その妄想と現実の区別がつかなくなり、マジで人殺しをやっちまったって話だろ?」         「はぁ、まぁ。そうなんですが・・・」     若い方の男はまだ、納得いかないようである。     「なんだ?これが他殺だと思うか?どうみたって自殺だよ。他になにか引っ掛かる点でもあるのか?」     警部は若い男の表情に気付き、問いかけた。     「実は・・・」  
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