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古都の川面を
朧の豊饒の月が照らす
月の光に導かれる様に
出会った二人
岸辺には艶やかに
季節の花が咲き乱れる
風が運ぶ甘い香りに
誘われる様に
交わす口付け…
「……!?」
その奇妙な冷たさに
はっとして
彼女は立ち尽くす
逃さない
君は美しい獲物
僕の奴隷として
肉体も魂も
永遠に縛る
冗談は止めて
冗談なんか言っていない
恐怖と狂気の中で
青ざめて
彼女は凍り付く
君は僕の所有物(もの)
君の為とか愛しているからではない
僕の満足が君の満足
そうなる様に
骨の髄まで
吸い上げ 教えてあげる
支配される悦びと幸せを
狂っている
狂ってなんかいないさ
そう 彼の外見は人間
月の光を浴びて映るその影は…
月夜の悪魔…吸血鬼ヴァンパイア
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