王様の優しさはわかりにくい

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「うっわ!!?人がいるーっ!」 あたしが呟いた瞬間、上から降ってきた驚いたような声。 その声に驚いて、思わず肩をびくつかせてしまった。 「だれだれだれっ???」 あたしが驚いている間に、声の主はあたしの前に回ってきていた。 目をぱちぱちさせていると、声の主も首を傾げていた。 「あ、あの……」 「君…美夜、ちゃん??」 「あ……はい」 自分の名前を呼ばれて、思わず頷いてしまったけど……… 「な、なんで名前知ってるんですか!!?」 そうだよ、全然知らないよ、こんな人。 短大の人ならまだしも、この人は大学生だろうし。 訝しげにその人を見ていると、その人はきょとんとして口を開いた。 「この大学で美夜ちゃんを知らない人っていないと思うけど……」 「なんで!?」 意味わかんないしっ!!! 思わず敬語も忘れて叫ぶように言うと、その人はにこにこしながら一言。 「だって、あの千尋の彼女じゃん」 ………そういうことか……
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