王様の優しさはわかりにくい

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「そうだよ、あたし迷子だった!」 「へ???」 いきなり大きな声を出したあたしに、きょとんとする彼。 「えっと…そう!図書館知りません!?」 「…と、図書館??」 あたしの質問に目を丸くしている彼は、“こいつは何を言ってるんだ”と言っているよう。 まあ、図書館なんて知ってて当たり前だもんなー…… とか思っていると、隣からクスッと笑い声が聞こえてきた。 「なに……??」 「いや…案内するよ、美夜ちゃん」 「ほ、ほんと!!?ありがとーっ」 にっこりと笑う彼の手をぎゅっと握りお礼を言うあたしは、この後の悪夢を知るはずもなかった。 なんでこのとき、彼と千尋の関係を聞かなかったのか………
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