王様の優しさはわかりにくい

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そしてぐいっと腕を引かれて千尋の前へ。 「呼ばれてないけどジャジャジャジャーンっ」 あ、穴があったら入りたい…… 千尋の前に出た瞬間、周りの目が一気に突き刺さる。 そりゃそうだ。 だってここは図書館だもの☆ ──ガタッ 「ち、ちひろ……??」 あたしが脳内パラダイスを繰り広げてる途中に、突然千尋が立ち上がった。 そして無言であたし達の横を通り過ぎる。 …………は? 「ちょ、ちょ、ちょ……っ」 ここはせめて『何か用?』とかぐらい言ってよーっ!!! そう思っていると、大きなため息をつきながら戻ってきた千尋に頭を一発殴られた…… 「なっ!?」 「お前、何なわけ」 「な、何って、千尋を探して……」 「美夜じゃねえよ。玉木、てめえだよ」 突然殴られてあたふたするあたしに、にっこりする彼、もとい玉木くん。そしてそれを睨みつける千尋。 な、なんかすごい空気悪いんですけどっ!!!
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