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「ご、ごめん!ありがと」
「わかればいい」
…お前、何様だ!
そう叫びたかったけど、言ったところで返ってくるのは
“千尋様に決まってんだろ”
だって確信がもてる。
そう思いながら、あたしは深いため息をついた。
「んだよ、そのため息は」
「なんでもないよ」
……あたし、何でこんな奴と付き合ってんだろ…
□
「美夜ーっ!おはよー」
「ん？玲!おはよっ」
学校に向かっていると(不本意ながらに千尋と２人で)、後ろから声をかけられる。
振り向けば、そこには親友の森川玲(ﾓﾘｶﾜ ﾎﾏﾚ)がいつもの笑顔で立っていた。
「今日も夫婦で登校ですか-!いやー、熱いねっ!」
「玲…ババクサイって」
人の背中をバシバシ叩きながら言う玲に、ため息が出てしまう。
「……俺、行くから」
「ちょ、千尋!」
あたしと玲が話してる間に、千尋は先々歩いていってしまった。
いつもそう。
玲が来たら先に行く。
「…何考えてんのかね…あの王様は」
ため息混じりに、そう呟いてしまった。
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