無敵な生徒の素朴な疑問

13/46
前へ
/243ページ
次へ
「前途多難だな、 まさか一秒も持たんとは。」 初っぱなから行き詰まりそうな予感を ひしひしと感じさせる ヴァインスからの宿題に そう呟くトマス ヴァインスに弟子入りする事を 決めたあの日 そのヴァインスから 手渡されたのがこの袋と 一通の手紙だった 手紙の内容はまだ自分は 治療中の身なので 本格的な指導を始めるのは まだ先の話になるだろうという物と もう一つ一人でも簡単にできる 魔力制御の訓練方法を書いた物 『袋に入っているのは 蛍火硝子と呼ばれる魔法具です これを使って魔力の 制御を学んでもらいます。』 蛍火硝子は特別な道具ではなく 一般にも広く出回っている ごくありふれた道具だ 魔力を流すと発光する魔法の照明で 少量の魔力で強い光を放つ ただし蛍火硝子を使うには 専用の道具が別に必要になる 硝子自体は電球であり 電球を光らせる為の本体が 必要になるのだ。 しかも蛍火硝子には 魔力を込める事ができない あくまで流すだけだ、 無理に魔力を込めると硝子は ひび割れて崩壊してしまい 流す魔力が少ないとちゃんと光らず 多すぎてもトマスが やったように破裂してしまう。
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1912人が本棚に入れています
本棚に追加