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魔方陣は魔力さえ流せば
術者がそこに居なくても発動する
大変便利な物だ、
その魔方陣を応用したのが
トマスが持つ蛍火硝子
一定の魔力を流し続ける事で
安定した光を放つ
が、それには決められた量の魔力を
過不足無く一定して
流し続けなければならない
トマスに欠けている部分
魔力の細かな制御力が無ければ
破裂か不発の二通りしか無い
逆に言えば上手く光らせる
事ができれば魔力の制御能力が
高まった事を意味する。
「…………。」
今度は集中して手のひらから
自然と染み出る様な
微かな魔力まで消し去ってから
徐々に硝子へと魔力を流す
先ずは蛍火硝子の
限界を見極めようとして―――
パーン、と勢い良く蛍火硝子が弾けた
「………危ないな。」
顔目掛けて飛び散った硝子を
首の動きだけで回避し
無惨な残骸と貸した硝子片を見つめる
原因ははっきりしている
徐々に上げていくはずの魔力を
間違えて微から大へと
間をすっ飛ばして高めてしまった。
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