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が、ここでトマスの
気まぐれな心が首をもたげる。
未だ指を突き付けたままの
ケロウを放置して
カバンの中から蛍火硝子を
一つ取り出す。
「決闘に応じてやっても良いが
一つ条件がある
お前、これを光らせる事が
出来るか?」
「ガラスの玉?いや蛍火硝子か、
そんな物そこの燭台に
乗せればいくらでも…。」
「違う、燭台を使わず
自力で魔力を流してとの意味だ。」
トマスがこんな事を
言い出したのは
誰でもいいから手本を
目の前で実演してくれる者が
欲しかったからだ。
一人では何度やっても
成功しないこの練習方法
他の人なら成功するのか
興味があった
ケロウなら自力で
(おそらく原材料は親に
用意してもらったのだろうが)
魔具を作れる実力がある、
魔具制作には高度な知識と技術
そして魔力の操作を
必要とする職人技だ
それを考えれば
ケロウに手本を見せてもらえば
何かしらのヒントが
掴めるかも知れない。
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