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「ギルドのランクは関係ない
生徒が先生の教えを受けるのに
理由なんていらないだろう。」
そう言って教室へと
戻って来たトマスとレアヌ
売店から歩きながら
ここまで来たのだが自分の
机に向かおうとして急に
トマスが立ち止まる。
トマスに扉を塞がれた
形になったレアヌは
何か気になる物でもあるのかと
肩越しに教室を覗くが
別に不審な物は見当たらない。
「しまった。」
閉まった?締まった?
もしくは失敗した?
何のことだかわからないので
聞き返すレアヌ
「しまったって何が?」
「売店まで行ったのに
蛍火硝子を買うのを忘れた。」
………そういえば
レアヌが抱き着いて
トマスに硝子を割っていた事を
囁いてから真っ直ぐ
教室まで来てしまっていた。
もちろん売店で
硝子を買うのを忘れたまま。
「これってワタシのせいかしら?」
「…いや、たかだか
訓練がばれた程度で動揺した
拙者の修練不足だ
気にするな。」
尚、教室の隅では
蛍火硝子を残らず使いきり
それでも硝子を
光らせられなかったケロウが
落ち込んでいたのだが
そこは省略させてもらう。
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