無敵な生徒の素朴な疑問

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「ケロウ君の様な魔族は 人間とは違って 魔力回路の容量も回復力も ずば抜けています。 ただ今の君は 回復が必要な部分に魔力が 使われていますから 普段より使える魔力が少なく しかもまだ回復しきって いないせいで魔力が 不安定です。 そんな状態ではどんなに 魔力制御に長けた人間でも 細かな調整は無理です。」 魔力回路とは単なる魔力の通り道 ではなく魔力全般に対する 感覚器官も兼ねています。 自分の発する魔力を感じ取る 周囲の魔力を察知する 五感の働きにより 我々が必要な情報を得る様に 魔力回路と呼ばれる 器官が体内にあるからこそ 魔力を感じたり 操作したり出来るのです。 それが損傷していると言う事は 例えるなら目隠しで 文字を書く様な物 ただ書くだけならまだしも 予め下書きされた 文字を上からなぞるのは 無理でしょう。 どこから書き始めたら いいのかが判らない 文字のなぞり書きなんて てんで無関係な場所に 筆を置くのが関の山です。
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