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聞き間違い、ではなかった。彼女は、はっきりと“殺せる”と言った。
そして、単なるアメリカンジョーク(外国人だけに)にしては、全然笑えない。
アマミコの顔を見るも、冗談とも本気とも取れる、実に曖昧な笑顔を浮かべていた。
俺は、
「…………………。」
………何も言えなかった。 今さらながらに、真夏日の太陽の日差しが意識され、暑さのためか妙に気持ち悪い汗が背中を伝う。
「武流??」
背後で、山田が声をかけるが、俺は振り向かない。……いや、正確には振り向けない。
アマミコの言った言葉の意味を、必死に理解しようとしていた。
そして、いくら考えてもやっぱり理解なんて出来なかった。
街中の喧騒だけが、俺達を虚しく包み込んでいるような、でも“ここ”だけ世界に取り残されたような微妙な沈黙が支配する中、いつまで経っても二の句が出てこない俺を見て、アマミコは、
「坊や、困ってるわね♪
まぁ、坊やとは、いずれ近いうちに嫌でも会うことになるんだから、それまでゆっくり悩んでなさい♪うふふふ♪」
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