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いや、具体的に何に喜んでいるかは分からないが、あの、終始にこやかな笑顔は、なぜかそう思えた。
……アイツは……アマミコは、一体何モンだ……??
新城市の中心街、人が溢れるただ中で、俺は不思議な女性に出会い、そして、
……謎だけが、残った。
アマミコは、『いずれ、近いうちに嫌でも会う』と言い残していった。
それは、本当の事だと思う。確信はないが、そう思った。
……まぁ、いい。『いずれ会える』のなら、その時に、アマミコが言った言葉の意味を聞こう。
彼女の本当の目的は、俺かも知れないし、四ヶ月前のような、姫の血液を狙うことかもしれない。どちらにしろ、また会った時だ。それまで、深く考えないことにしよう。
………もし、姫を狙うんなら、容赦はしねぇけどな。
とりあえず、自分の中で決着を着けた。
――と、ここで。
「な、なぁ、武流……。」
なぜか、山田が震えた声で俺の背中を軽く叩いた。
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