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「…こんなときにヴァロンがいたらなぁ…」
アッシュの顔が生クリームと苺でデコレーションケーキ状態になっている中、キースはずっとお菓子まみれの部屋にいた。
「…この人何しても起きないし…もうやることないしつまんないんだよね…」
と言いつつ、付属のスプーンでアイスクリームを食べる。
スプーンを口に入れたとき、彼ははっと何かを思いついた。
「そうだ!何だ、簡単じゃん…」
そう言うと未だに気絶しているアッシュに近づき、彼の上に乗った。
そして両手を彼の首に当てる。
「…死んでね、僕のために…」
そのまま、少しずつ力を入れていく。
これにはさすがに、アッシュも気づいたようだ。
「っ!?うっ、くっ…!」
じたばたと暴れ回り、顔に乗っていた苺がごろごろと床に転がった。
だがキースが力を緩めることはない。
「…声、出して?もっと苦しそうな声…
苦痛と屈辱に歪んだ、擦れた声が一番好きだな、僕…!」
「お、ま……!」
アッシュは力を振り絞り、何とかキースを振りほどいた。
「はぁっ、はぁっ…よくも…よくもコケにしてくれたなぁ!!?」
「じゃあ、遊んでくれる?つまんない遊びは嫌だよ?
真っ赤な血が滴るような…赤くて黒いのがいいな…」
こ、こいつ……
まるで、悪魔みたいな子供だ!
アッシュはすぐさま部屋の結界を解いた。
「…?」
空気みたいなのが、変わった?
「今だ!」
アッシュはキースを捕まえようと、彼に飛び掛かった。
だがキースは転がって避け、先程のスプーンを投げつけた。
アッシュはそれを右手で受け止めた。
「!?」
「抵抗しない方が身のためだよ?
ね?大人しく一緒に来てくれよ。そのときは、君の望むそんな遊びしてあげるからさ」
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