呪われた記憶

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「…やだ」 「何で?」 「だって…それは僕が『される側』でしょ? 僕、『する側』がいいもん」 「い、いや、誰だってそうだろ!?」 「…ふぅん?じゃあお兄さんも僕と同じ部類の人間?」 「そ…そこまでドSでもないし!」 「…じゃ、やってみる?」 「…何を?」 「…僕を…殺してみる?」 キースは不敵な笑みを浮かべた。 「っ悪趣味な!お喋りはそこまでだ!」 と、アッシュは再びキースに飛び掛かった。 「…ったく、人がせっかく…」 アッシュが近づくと、キースはすかさず炎で攻撃した。 炎の球はアッシュの腹に命中した。 「ぐっ!」 そのままバランスを崩し、倒れる。 そしてキースも、ひらりとその場から離れた。 「…今のは冷や汗かいたよ?」 「こっ…このチビ…!」 アッシュが腹に右手を当てると白い光に包まれ、怪我が治った。 あ、この人シャイネだったっけ。 キースは失敗失敗、と頭を掻いた。 ちょっとでも触れられたら転移魔法を使われて終わりだ。 でもこんな狭い部屋じゃ… 「…じゃあね!」 キースは部屋を出ようとした。 「…させるか!」 アッシュがそう言うと、部屋の外から白い光がキースを覆った。 「うわぁっ!?」 彼は身動きが取れなくなり、じたばたと暴れた。 そんな彼に、冷徹な目をしたアッシュが近づいた。 「っ!」 「ほら、遊びに連れてってあげるよ?」 と、動けない彼に触れようとする。 「…触るなぁ!!」 キースがそう叫ぶと、黒い炎が白い光を焼き尽くした。 アッシュは思わず手を引いた。
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