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「手掛かり…」
ネロは考え始めた。
「…そうだ!」
「何かあったの?」
アメリアが訊いた。
「ヴァロン・アルベールって知ってるか?」
「…奴か。リルデの第一皇子だろ?何でも、任務で奴も入れて四人でプチ・エトワールを探しているらしいが」
マイルズが答えた。
「…その中に、金髪の餓鬼がいただろ?どうやら、あいつが知ってるらしい。
ただし記憶喪失なんだ。だからクランクシュヴァルツ家の連中はあいつを狙ってる…
……今のところは奴しか手掛かりはねぇ。それが現状だ」
ネロが言った。
「あの、フレイマーの子?何か簡単に吐いてくれそうなイメージあるけどな」
ベルデが言った。
実際吐かなかったんだが…
そう思いながらも、ネロは続けた。
「とにかく選択肢は三つだ。奴を利用するか、俺の呪いを解くか、他の手掛かりを探すか…」
「…記憶喪失とは知っていたが…まさかそんなことだとは…
でもその中ではお前の記憶をどうにかするしかないと思うが」
マイルズが言った。
「そうね。あの子だって魔導士なんでしょ?
捕まえるのは難しそうだし、手掛かりが他にあるかっていうのも謎だし…」
アメリアが言った。
「ねぇ、呪いを解く方法ってないの?」
ベルデが訊いた。
「一番一般的なのは解呪が得意なシャイネに解いてもらう。
だがこの呪いは、掛けた人間にしか解けねぇタイプだ」
「確か、クランクシュヴァルツ家の…」
ルジュールが言った。
「そう、ディオス・クランクシュヴァルツ本人にしか解けねぇ。
奴を説得するか、倒すか…前者は無理だろうがそうするしかねぇ」
すると、ベルデががたんと席を立った。
「…やりましょ」
「……ベルデ?」
「その、ディオスとかいうオッサン倒しましょうよ!」
「お、落ち着けよベルデ!」
ピコピコハンマーを持ち出すベルデに、ルジュールは慌て始めた。
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