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ジリジリとにじり寄って来る晴也さん。
それと同時に逃げる俺。
微笑みの鬼はゆっくりと、もう一度口を開く。
「なぁ?
俺以外の奴らとあんな風にスキンシップとってたのはなんでや???」
俺の背中が壁とぶつかる。
―――ヤベェ。逃げらんねぇよ。
「なぁ?なんでや???」
なおも、あの微笑みを浮かべてきいてくる晴也。
もう俺は逃げれない。
「なぁ、ゆう…」
ガバァ!!!
俺は晴也が何かを言う前に晴也に抱きついた。
俺の伸長は170㎝とまぁまぁなもの。でも、晴也は、186㎝あるから俺よりも軽く高い。
だから、俺がガバァっと軽く背伸びをしてやっと届く相手の肩に顔を埋める。
「…焼きもち…焼かせて、ごめん。
…でも、俺は晴也だけだから。」
晴也の襟足の長めな黒髪からシャンプーのいい匂いがした。
―――ギュッ
晴也が、少し遅れて俺のことを抱き締める。
「……本当に、堪忍やで…なぁ?有希???」
少しだけ切なそうな声。
こんな声を聞いたら俺はいつも言えなくなる。
“あんまり、焼きもち焼くな”
なんてさ……。
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