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「…うん、ごめん。」
俺は切なそうな晴也の声を聞いて、抱き締める力を強めた。
そうやって少しすると、せいやがおもむろに抱き締める力を弱めた。
「……堪忍な。
有希が好きな証拠だから、許してな?」
そう言うと、晴也はこくびを傾げる。
―――か、可愛い!!!
自分よりも背の高い男に使う言葉ではないのはわかっているが、どうしても晴也を見ていると感じてしまうんだ。
「なぁ、明日休みだしさ。
どっか遊び行こ???」
俺は“許す”の代わりに デートに誘う。
晴也はすぐにニコッと笑って
「そやな。」
優しい、柔らかい返事をくれた。
俺と晴也は着替を済まして寮を出た。もちろん、目一杯遊ぶために外泊届けも忘れずに出した。
―――本当は、制服デートというのをやってみたかったのは内緒だ。
そして俺は、愛しの鬼彼と今日も幸せの時間を送る。
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