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それは父も同じだったのだろうか。
家も失い、妻を亡くした父はみるみるうちに荒み、金も無くしたのち、鈴は間もなく女衒(ぜげん)に売られたのだ。少量の金銭と引き換えに。
当時まだ7歳の事であった。
気分も大分落ち着き、体の熱はとうに冷え切ってしまった。
少し色褪せてしまった香袋を丁寧に懐にしまう。
そろそろ体を水で拭って寝床に戻ろうと振り返れば、そこには眠そうにまどろぎながらもこちらへと向かってくる友人が見えた。
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