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「…まだ起きてたんだ。」
「あ、うん。」
一つ欠伸を漏らした彼女、菜月はそんな鈴の姿を見て、眉を上げた。
「鈴ってば、この間もこうやって起きてたじゃない。しかもそんな兎みたいな真っ赤な目しちゃってさ。」
最近ずっと寝れてないんじゃない?
そう心配してくれる彼女は、この遊郭で唯一同じ年の、鈴の一番の親友である。
別にそんな事言った覚えも素振りも見せなかったのに。
さすが幼なじみ、と舌を巻くしかなかった。
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