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ふと目が覚め飛び起きると、そこはしんと静まり返る見慣れたこじんまりな部屋だった。
僅かに月明かりが射したこの部屋は、もう随分と前から世話になっている鈴の自室である。
はしはしと数度まばたきをした大きな瞳からは、先ほどの続きとばかりに涙が零れ落ちる。
気が付けば体全体も汗ばみ、ぐっしょりと濡れていた。
あまりの不快感に鈴は眉根を寄せ、軽く伸びをしてからそのまま立ち上がった。
再度眠りにつける筈も当然なく、すっかり目を覚ましてしまった鈴は、気分転換にと、静かに戸を開く。
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