流彩

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流彩

流れていく色彩、 この世界には、私しかいない。 心が染まり始める、 緩やかな焦り、風に囁かれて。 死に逝く枯れ葉さえ、 川に抱かれて。 自分のためには泣けないまま、 虚ろな空を見上げていた。 私の目に映る景色は、何時からか迎え入れてくれて 在り続ける色彩、 この時間には私しかいない。 紅葉、紅葉、流れて。 辿り着く場所は、世界の胸。 死に逝く枯れ葉さえ 私を感じる。 明日のためなら歩けばいい。 そう教えられてきたけど。 私の目に映る色彩は、どこまでもこの手を引いて。
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