白銀に輝く赤と涙を亡くした私

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「…またカラオケかぃ」 元気だな美優は。 私はもう喉が壊れかけているのに。 携帯に表示された時刻を見ると午後7時 「ご飯作ろっかな」 台所にある冷蔵庫の中を見ると見事に寒い状況だったため近くにあるコンビニでインスタントラーメンと飲み物を買うことにした。 櫛で髪の毛を解かし、防寒対策をしてドアを開けた。 外はさっきにも増して雪を降らせている。足首程まで積もっている。 「これは寒いな。」 私の住んでいるところはアパートの二階の一番端。 ちなみに美優の住んでいるところは普通の一軒家。羨ましい限りだ。 コンビニで望みの品を購入した後、無事に自宅に帰還した。 「あ~ 寒かった」 机の上にある就職カタログを乱暴にまとめてポットで温めたお湯をインスタントラーメンにゆっくり注いだ。 「ふぅ~。」 カップラーメンを前に肘をつき、ため息もついた。 「…カラオケ」 買ってきた飲み物、『お~いお茶』を一口含みつぶやいた。 「…」 沈黙の三分間を経て、蓋を取った。 美味しそうに湯気が立っている。 「いただきます…。」 この寒い冬に暖かいカップラーメンは身に染みた。 「ごちそうさま。」 からになったカップラーメンを台所に置き、時計を見た。 午後8時30分。 まだ早い時刻だがなにもすることがないので布団に入り、まどろみにそっと目を閉じた…。
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