白銀に輝く赤と涙を亡くした私

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「さっき起きたでしょ~?」 「ばれた?明音もさっき起きた?」 「いや、小一時間前に起きた。なんで?」 目の辺りを触った。クマができているのかな? 「いや。何となく」 「そっか」 美優はおにぎりを二つ買い物カゴに入れた。 他にはカップ麺、飲み物、お菓子が入っていた。 私も美優の隣に行っておにぎりを二つとった。 「明音って『すき焼きおにぎり』食べるの?シーチキンは好きなの知ってたけど。」 カゴの中を見ると『すき焼きおにぎり』が入っていた。 ほぼ無意識に手に取ったため考えていなかったが新商品らしいので買うことにした。 「私、新商品とかに弱いんだぁ♪」 新しい物には目がないのだ。 「ウチも新商品は好きだけど『すき焼きおにぎり』は怖くて食べられないなぁ。」 「何事も挑戦じゃない?」 二人で小さく笑い、レジに向かった。 会計を済ませて美優は『三時に向かいに行くからね』と伝えた後、すぐに帰っていった。 私は寒さの増した帰り道を早足で歩いた。
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