大阪レイニーブルース

3/12
前へ
/54ページ
次へ
          「莉沙…大阪は今日も雨やで」              俺は、マンションの屋上から薄暗い空に向かって呟いた。               「もうすぐ逢いに行くからな…」                               俺は一年前、最愛の彼女を事故で失った。     あれから一年間、俺はどうやって何をして生きてきたんかさえあんまり覚えてへん。       ただ覚えてるのはアイツのぬくもり… 雨が降ると思い出すアイツのぬくもり…       ただそれだけや。             なぁ神様、教えてくれや     こんな俺に、生きてる意味なんてあるんか…?     莉沙がおらん人生に、光なんか見えるんか?             神様…     こんな弱い俺を許してください    俺は今日… この世から姿を消します。     遠い空へ逝ってもうたアイツに…莉沙に…           逢いに行きます。        
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加