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付き合って2年が経つ頃。
別れは残酷なほど突然やって来たんや…
キィィィー…ドンッ…
それは本間に一瞬の出来事やった。
俺は何が起きたんか、全く理解できやんくて…
ただ立ち尽くすだけやった。
せやけど、一つだけ分かってしまったんや…
さっきまで信号越しに笑顔で手、振ってた莉沙は
今は車の下敷きになってぐったりしている…
それだけは何故か、
分かってしまったんや…
「誰か救急車!」
周りが一気に慌ただしくなる中、俺は動くことさえ出来やんかった。
ただ…
「あれは莉沙やない…」
そう自分に言い聞かせるしかなかった。
だってな…?
さっきまで
「亮ちゃん!」
って俺の名前呼んで走ってきとったんやで…
こんな一瞬でアイツの笑顔を奪えるんか…?
俺は手に握りしめてた指輪を地面に落とした。
渡すはずやった
婚約指輪を…
莉沙は俺の目の前で…
死んだんや。
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