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「莉沙のおらん人生なんかな、死んだほうがマシやねん…」
俺がそう言うた瞬間やった。
…ボコッ‥
俺は大倉におもいっきり殴られて
地面に倒れ込んだ。
「痛っ…」
俺はヒリヒリ痛む頬を、手で押さえた。
口は少し切れてて、
血が出とった。
「何もグーで殴る事ないやん…」
「亮ちゃん痛いやろ?痛かったやろ?!だって亮ちゃん生きてんねんもん。そら痛いでな?」
なぜか真っ赤な大倉の目。
「なんでお前が泣くねん…」
「亮ちゃん、死んだら本間に終わりやで?俺がこうやって殴っても、痛いなんて分からんねんでっ…」
大倉の言葉が胸に突き刺さる…
それでも大倉は容赦なく話を続けた。
「亮ちゃんよう考えや…?亮ちゃんが莉沙ちゃんの幸せを願ってたのと同じで、莉沙ちゃんだって亮ちゃんの幸せ願っとるんやで」
「だから…何や…」
「せやから亮ちゃんは、莉沙ちゃんの為にも幸せになったらなあかんねん!」
「…」
「亮ちゃんが莉沙ちゃんの分まで生きたらんで、どないすんねんな…」
大倉は流れる涙を堪えながらそう言うと
「ほな俺は部屋でカレー作って待ってるから、…後は亮ちゃん次第やで」
って、屋上から出て行ってもうた。
雨はすっかり止んどった…
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