大阪ロマネスク

4/10
前へ
/54ページ
次へ
      「お前な、雑誌投げたら危ないやろ?」      『だって忠義ムカつくんだもん』     「けど雑誌は投げたあかんの。な?」     『忠義だってすぐ物に八つ当たりするじゃん』     「(…)アホか!俺、血出しとんねん。一緒にすんなや」     『やだやだやだ!関西弁で怒んないでよ』     「無茶苦茶言うなや!俺一応アイドルやし、顔傷付けたらあかんの!」     『自分でアイドルとか言わないでよ!気持ち悪い…』     「は?気持ち悪い?もうお前な『やだ!関西弁やだ!喋んないでっ』…」       なんやねん…。彼氏が血まで出して痛がっとんのに、謝罪の言葉も無ければ、心配も無しかい。     あかん、だんだん腹立ってきた…       「もうええわ。疲れる…」     『つ、疲れる…?』       そら確かに、環境が変わって不安定になる気持ちは分かる。だから俺やってさゆみの気持ち考えてここ最近は、喧嘩になっても俺なりに我慢したりして…     けど毎日毎日同じように八つ当たりされとったら、さすがに俺やってストレス溜まる。       『何それ…?どういう意味?』    「そのまんまの意味やけど」     『…』       あきらか傷付いた顔をしてるさゆみ。これ以上言うたらアカン、そう頭では分かってるはずやのにあかんわ俺、もう止まらん…      
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加