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「今日はどのようなご用ですか?」
近場の学校ならまだしも、わざわざ電車を乗り継がないと来れないような所から来れば、当然の質問だろう。
「人を捜してるんだけど」
「そうですか。でもこんな所に、貴方みたいな人が一人で来ると危ないですよ」
「…………は?」
(危ないって、何が!?)
俺はそんなに心配されるほど頼りないのだろうか。
……自分で考えて、ちょっと落ち込んできた。
「もしかして、自覚なしですか?」
「なんの?」
俺が真顔で聞き返すと、黎が苦笑した。
「だから……」
「あれ、奏さん?」
黎の台詞を遮るように、聞き覚えのある声が聞こえて、俺は声がした方を振り向いた。
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