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「翼君」
校舎から歩いてきたのは、昨日会ったばかりの翼だった。
「あれ?高城の知り合いなの?」
「まぁね」
翼はニコッと笑って、俺の腕を掴んだ。
「……奏さん、司堂先輩に会いに来たんでしょ?」
「!?」
図星を指され、俺は呆気に取られた。
こう言っては失礼かもしれないが、翼はどちらかと言えば鈍感なタイプかと思っていた。
自分の先入観が見事なまでに覆され、第一印象なんて本当に当てにならないことを実感した。
「じゃあ、俺達もう行くね」
「うん。また明日!」
二人と別れて、また校舎の方に戻っていく翼に申し訳なさを感じながらも、俺は彼の後を着いていった。
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