†エピソード1† 転校生

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(こんなん、ありか!?) 担任と一緒に入って来た少年を見た瞬間、自分の目を疑った。 (滅多にいないぞ。こんな翔梧並の美形……) 天然なのか、染めているのかはよくわからないが、手触りの良さそうな色素の薄い髪に焦げ茶の瞳。 甘く整った顔立ち。 翔梧とは正反対な魅力を持つ美形だ。 教室の隅の方から、女の子達の黄色い声が聞こえる。 彼女達の『いい男チェック』はすでに始まっているらしい。 「今日からこのクラスの一員となる藤堂皐月(とうどう さつき)君だ。皆んな仲良くするように」 ザワザワと騒がしい教室の声を遮るように、担任が声を張り上げる。 (この騒ぎをなんとかしてくれ……) 元々、あまり騒がしいのが好きではない俺は、今の現状にうんざりしてくる。 女子はイケメンな転校生に興味深々だし、男子は変な時期の転校生に好奇心を刺激されたようだ。 これでは騒ぎを納めようという方が無謀というものだろう……。 はぁ…とため息を吐くと、件の転校生とばちっと目が合った。 彼はにっと不敵な笑みを見せた。 (……ん?)
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