龍の心臓

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もはや使用人達もアテナを人間として扱わなくなっていた。   寝る場所は地下牢で手足に鎖を巻かれ繋がれた状態だったが龍と同じ力を持ったアテナにそんなものは気休め程度だったが牢から出ようとも思わなくなっていた。   出てもただ動けなくなるまで血を抜かれるだけだ…痛い…痛いだけ。     それでも家人を全て葬り去れば脱走など容易いことだったがアテナはそれをしなかった。   唯一アテナを一人の人間の女の子として世話をしてくれる使用人、「マーチャライア」がいたからだ。     マーチャライアの側にいるときは人間になれた気がして嬉しかったから…。
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